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NISA

(2013年9月30日 15:35)
NISA導入の背景
平成26年1月から、少額投資非課税制度が開始されます。
この制度は、毎年100万円までの新規投資分についての配当や譲渡益について最長5年間、非課税にする制度です。
イギリスのISA(アイサ)をモデルに作られたので、Nippon(日本)の「N」を付けてNISAと名付けられました。
「家計の金融行動に関する世論調査」によると、将来の生活の備えとなる預貯金や株式・保険などの金融資産を全く保有していない「金融資金ゼロ世帯」が、日本では年々増加しています。
20年前には金融資産ゼロ世帯は、全世帯の10%もありませんでした。それが、平成24年の調査では全世帯の1/4超が、金融資産ゼロ世帯になっています。
NISA導入によって、将来に向けた資産形成に取り組むきっかけになることが期待されます。
また、日本の家計が保有する金融資産は約1,500兆円ですが、そのうちの55%を預貯金が占めています。
海外をみると、比較的預貯金の割合が高いドイツで40%程度、アメリカやイギリスでは30%を下回っています。
このことから、日本の家計が保有する金融資産は、預貯金の占める割合がかなり高いといえます。
この預貯金を投資に回してもらうことで、企業への資金供給が拡大し、経済が成長することで家計が潤う、そしてさらに投資につながる、NISAの導入にはこのような好循環を生み出す効果も期待されています。

制度を利用する際の注意点
NISA口座には、いくつかの制限があります。
NISA口座は、一人1口座のみで、銀行と証券会社に1口座ずつ解説するといったことはできません。
また、一度開設したNISA口座を、別の金融機関に変更することもできません。
非課税の対象となる枠は、投資額で毎年100万円ですが、投資を行わなかった非課税の枠を翌年以降に繰り越すことはできません。
NISA口座は新規の投資が対象となるので、一般口座や特定口座などで既に保有しているものをNISA口座にそのまま移管することもできません。

イギリスの「ISA」と日本の「NISA」の違い
NISAはISAをモデルに作られましたが、違いもあります。
ISAには、株式型ISAと預金型ISAがあります。
株式型ISAの対象商品は、上場株式や公社債、投資信託、保険、預貯金など、
預金型ISAの対象商品は預貯金やMMFなどです。
NISAの対象商品には預貯金や公社債、保険などが含まれていないところにISAとの違いがあります。
NISAには口座開設期間が10年間と定められていますが、ISAにはこのような期間は定められていません。
また非課税の期間についても、NISAは5年と定めれていますが、ISAは無制限です。
口座を開設できる人の年齢制限は、NISAは20歳以上となっていますが、
株式型ISAは18歳以上、
預金型ISAは16歳以上です。
口座内の金融商品の一部や全部を売却し、売却代金で別の金融商品を購入することをスイッチングといいます。
ISAではスイッチングが可能で、新たに購入した金融商品の運用益も非課税となりますが、NISAはスイッチングができません。
NISA口座では年間の非課税枠を超える投資はできないことになっています。
このように両者には様々な違いがありますが、NISAの利用が進むことで、制度の課題が見えてくるかもしれません。
今後のNISAの動向に注目したいものです。

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