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ポイントに対する課税

(2012年10月22日 05:42)
  • 「税務処理が明確なポイント制度については、方向性がはっきりしているので一斉に税務調査を実施」
  • 「はっきりしないものは、手を出さない」

    となり、国税としては本来課税をすべきところだとは思いながらも、手出しできていない部分が多いようです。

    逆にいえば、「このポイントはこう税務処理するんだ」と1つ明確になれば、そのポイント制度を利用している法人・個人に一斉調査を仕掛けるというものです。

    ここの「ポイント」とは、税務で問題になるのは一般的にポイントのみならず、スタンプや電子マネーなどにも広く及びますので注意が必要です。

    ポイントの課税で争った裁決は2つしかないようです。
    (下の2つは同じ裁決で争点が違います)
    公開裁決事例ではないので、要旨だけ載せておきます。

    【裁決要旨1】
    請求人は、見積原価の算定に当たって、有効期限切れポイントを控除することに代えて本件回収率により計算すべきである旨主張し、原処分庁は、有効期限切れポイントを期末残高から控除し、さらに本件回収率を乗じるべきである旨主張する。しかしながら請求人の本件回収率は、請求人の計算を継続して採用すると、回収率の分母には有効期限切れポイントが蓄積され、将来、回収率が限りなく零に近くなり、適正な見積原価の計算とは認められず、原処分庁の回収率は、有効期限切れポイントを期末残高から控除し、さらに本件回収率を適用しているが、本件回収率を適用することは、結果として、一部有効期限切れポイントを二重に控除することとなり適正ではないことから当審判所において、当期の見積原価の額を再計算すると(1)期末残高から有効期限切れポイントを控除しさらに、
    (2)上記(1)の数値には翌期に有効期限切れとなるポイントが含まれており、そのポイントは請求人の当期の販売利益とすべきものであるから、
    (3)見積原価の算定に当たって当該利益を除外するために、前期末残高に対する前期末から当期末までの有効期限切れポイントの増加割合を求め、 
    その割合を上記(1)の数値に乗じて当期の販売利益を算定し、(4)上記(3)の販売利益を上記(1)から控除して見積原価を算定すると、請求人の見積原価の額を上回ることとなる。 

    以上の結果、原処分の全部を取り消すのが相当と認められる。
    (平12. 4. 5熊裁(法)平11-32)

    【裁決要旨2】
    共同店舗の管理運営を行う請求人が、組合員のための販売促進事業の一環としてポイントカードを作成し、顧客が貯めたポイントと本件共同店舗内で使用できる請求人発行の買物券と交換し、顧客が使用した買物券相当額を組合員に支払う行為を行ない、組合員から共同事業費として徴収した一部(本件カード事業収入) 
    をその事業に充てた場合につき、請求人は、本件カード事業収入が課税売上に該当しない旨主張する。しかしながら、
    (1)組合員からの販売促進事業に係る負担金を預り金とする旨の規約はなく、
    (2)請求人は、負担金の全額を課税売上げに計上し、
    組合員も支払った負担金の全額を課税仕入れに計上し、
    (3)組合員は請求人から支払われた本件買物券相当額を顧客に対する商品の売上げの入金として計上していることから、当該負担金は、ポイントカードの発行及びお買物券相当額の支払いといった販売促進事業を、請求人が組合員から業務委託された対価であると認められることから、その全額が請求人の課税売上げに該当する。(平14.09.19.福裁(諸)平14-2)

    【裁決要旨3】
    共同店舗の管理運営を行う請求人が、組合員のための販売促進事業の一環としてポイントカードを作成し、顧客が貯めたポイントと本件共同店舗内で使用できる請求人発行の買物券と交換し、さらには、当該買物券と請求人発行の食事ご招待券と交換し、顧客が使用した買物券の代金を組合員に支払う行為、提携した飲食店への当該食事ご招待券の支払う行為につき、請求人はいずれも課税仕入に該当する旨主張する。
    しかしながら、買物券及び食事ご招待券は消費税法の物品切手等に該当することから、 
    買物券及び食事ご招待券を交付する行為は資産の譲渡等に該当せず、それらは、引換え済みの物品切手等の代金決済となり、課税仕入に該当しない。
    (平14.09.19.福裁(諸)平14-2)


    結局のところ、ポイントは制度や内容によって、
    個々に税務処理を判断しなければならないのですが、
    さらに消費税の取扱いも要注意です。
    消費税の区分を間違えると大変なことになりますし、今後消費税率が上がれば、税務調査で致命的な増差税額が発生することも考えられます。

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