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会計検査院の監査の恐怖!?

(2012年8月 6日 15:06)
先日、税務調査研究会(実践編)の場において、このような質問が出ました。

【質問内容】

税務調査で工事の仕掛りに関して、1400万円程度の否認指摘を受けました。確かに工事の仕掛りを調整することで、ある程度の所得調整をしていたので、否認項目には違いありません。

しかし金額が大きいこともあり、また仕掛り工事が複数あったこともあって、増差所得を下げるために
「何とか1000万円分くらいにならないですかね?」
と調査官に交渉してみたところ、調査官は考えた末、
「ではこの工事分だけにして、700万円だけで修正してください」
と言ってきました。こちらが提示した以上に増差所得が減ってビックリしたのですが、その理由を探ると増差所得が増えるかもしれないので、言われたとおりに修正申告しました。

なぜこのように、調査官から増差所得を下げるような提案があるのでしょうか?ぜひ教えてください。


さて、かなり不思議な事案と思われたかもしれませんが、

答えは、「会計検査院の監査が怖いから」です。(もちろん推測の域を出ませんが)

会計検査院という組織があることは、税理士の中でも知っている人が多いのですが、実際にどのような機能をしているのか知っている人は少ないです。

話を税務署・税務調査に戻します。
調査官は税務調査が終わると、調査の過程を記録した「調査ファイル」を作成しなければなりません。

調査ファイルには、誰といつどんなことを話したのか、否認項目がなぜ否認に至ったのかその根拠、また修正申告書等を添付して、統括官決裁が必要です。

統括官は、税務調査の後に都度、調査官から報告等を受けているはずですから、調査ファイルを精査などせず、決裁印を押印していることが多いです。(もちろん細かい統括官もいることはいます)

決裁後の調査ファイルは都度、耐火性の書庫に保管されていくのですが、ここで問題になるのは、会計検査院が調査ファイルの監査をしていることです。

会計検査院は、税務調査が適正に行われているかどうかをチェックしています。つまり、何の根拠もなく増差税額を減らしたりしていないかを見ているのです。

これは、調査官が納税者と癒着・共謀などしていないか、裏金などをもらっていないか調べるためでもあります。

少し話を戻すと、調査官ごとに調査ファイルの作るレベルが違います。
調査が終わると、調査ファイルをいったんすべて打ち直し(書き直し)していました。
これは、調査のたびに経過などを細かく書いているのですが、その中には修正申告の内容とどう考えても合わない内容も含まれているため、わざわざ書き直していたのです。

会計検査院対策ではなく、今後の調査官に対して必要なことを申し送りしておくべきだと思ったので、
こんな面倒なことをしていました。

しかし、書き直しなどをせず、過去に書いたメモ等をそのまま調査ファイルに綴る、面倒くさがりの調査官も多いというのが事実です。

ですから、当初の否認指摘事項などがメモとして調査ファイルに残っており、修正申告書の内容と齟齬がある場合は、会計検査院の監査にひっかかるのです。


また、同じ税務調査研究会で会計検査院に関して、
このような質問も挙がりました。

【質問内容】

税務調査が終わり、調査官との交渉の末、双方が納得したので修正申告を提出し、調査は終了しました。しかし、その後担当調査官から連絡があり、「会計検査院に指摘を受けたので、正しい内容でさらに修正申告を提出してほしい」と言われました。

こちらとしては、納得したから修正申告を出したのであって、さらにお願いされた内容には納得できないので修正申告を出したくありません。確かに、法律的には会計検査院の指摘項目は正しいのですが、税務調査では調査官との話し合いで取り下げてもらった項目です。
どうすればいいですか?
これは非常に難しい問題です。
修正申告というのはあくまでも納税者が納得して提出するものですし、今回の事案では収受している
税務署(調査官)も納得しているのですから、修正内容が法律に適合している必要はまったくないというのが真実です。
(更正は税務署からの処分になりますからまったく違います)

しかし、現実的な話をすると、会計検査院の指摘が「法律的に正しい限り」、やはり最終的には法律に従って修正申告しなければならないでしょう。

税務調査においては、ただ単純に
「税額を下げてください」「いいですよ」
「ありがとうございます」ではなく、会計検査院等に指摘される可能性も踏まえて、

「では、この基準で否認しなかったということにしましょう」
と、そこに「理屈」をつける必要があるということです。

これは銀行員との交渉でも同じでしょう。
融資等を受ける際に、銀行の稟議が通りやすいように、
そこに理由づけやエビデンスを出すことがあると思います。
銀行員はサラリーマンなので、決裁をもらうのに通しやすい文章や書類を欲しがっているものです。

税務調査では、否認指摘を取り下げてもらったことに満足せず、
会計検査院の監査まで考えたうえで、詰めの部分までしっかり交渉しなければなりません。

会計検査院でご不明な点は大阪池田駅・川西能勢口駅から徒歩15分「高原誠一郎税理士事務所」までお気軽にご相談下さい。

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